多治見まつり完全ガイド 2026 ― 美濃焼の町に蘇る、晩秋の戦国絵巻
多治見国長・土岐頼兼ら、この地にゆかりの武将に扮した時代行列が、晩秋の東濃路を練り歩く――40年以上続く市民手作りのお祭りを徹底解説します。
多治見まつりとは?
岐阜県多治見市で、毎年11月3日(文化の日)に開催される市民手作りのお祭り。2026年で第54回を数える、40年以上の歴史を誇るイベントです。美濃焼の産地として知られるこの町が、1年に一度、鎌倉時代末期の武将たちの姿をまとい、晩秋の東濃路に小さなタイムスリップを起こします。
多治見国長とはどんな人物か
多治見まつりの主役の一人、多治見国長は、実は単なる創作上のキャラクターではありません。鎌倉時代末期、1324年(正中元年)に起きた「正中の変(しょうちゅうのへん)」という歴史的事件に、実在の武士として名を連ねた人物です。当時、後醍醐天皇は鎌倉幕府の打倒を志し、側近の公家である日野資朝・日野俊基らとともに、ひそかに討幕の計画を進めていました。この計画に加わった武士の一人が、美濃国(現在の岐阜県南部)を拠点としていた土岐頼兼であり、その縁者とされるのが多治見国長でした。
計画は事前に幕府方に漏れてしまい、京都の六波羅探題によって多治見国長の邸宅が急襲されるという事態に発展します。国長は奮戦の末に最期を遂げたと伝えられ、後醍醐天皇自身は「計画とは無関係である」と釈明して罰を免れたものの、国長をはじめとする武士たちは大きな代償を払うこととなりました。結果としてこの正中の変は未遂に終わりますが、後醍醐天皇はその後も倒幕への意志を曲げず、数年後にはついに鎌倉幕府を滅ぼす原動力となっていきます。多治見まつりの時代行列は、こうした歴史の大きなうねりの中で、郷土のために立ち上がった一人の武士を偲ぶという側面も持っているのです。
時代行列には、ボーイ・ガールスカウトが扮する可愛らしい少年武者や虫の垂れ姿の子供たちも続き、太鼓・踊り・鼓笛など市民によるパレードが賑やかに彩りを添えます。多治見市のマスコットキャラクター「うながっぱ」も、仲間のキャラクターと一緒にパレードに参加する人気者です。歴史の重みと、市民の手作りの温かさが同居しているのが、このお祭りの一番の魅力だといえるでしょう。
多治見まつり 5つの見どころ
市民手作りならではの、温かみある見どころをご紹介します。一つひとつは決して大規模なものではありませんが、だからこそ見る人との距離が近く、沿道から声をかけたくなるような親しみやすさがあります。
時代行列
市長・議長・区長が扮する3武将と、公募で選ばれた華やかな奥方役が行列の主役です。普段はスーツ姿の行政のトップが甲冑をまとう、年に一度だけの貴重な光景でもあります。
少年武者・虫の垂れ
ボーイ・ガールスカウトが扮する可愛らしい子供たちの姿も、行列を彩る人気の一幕です。小さな武者たちの一生懸命な表情に、沿道から温かい拍手が送られます。
太鼓・踊り・鼓笛パレード
武者行列の前後に続く、市民参加による賑やかなパレードです。地元の小中学校や各種サークルが日頃の練習の成果を披露します。
うながっぱの登場
多治見市の人気マスコットが、仲間のキャラクターとともにパレードに参加します。子供連れの来場者にとりわけ人気の撮影スポットです。
オリベの陣
本町オリベストリートで開催される、グルメ・パフォーマンス・体験が揃う特設会場です。時代行列とはまた違う、町歩き型の楽しみが待っています。
これら5つの見どころは、いずれもJR多治見駅から徒歩圏内に集まっているため、一日のうちに無理なく回ることができます。午前の行列から午後のオリベの陣まで、多治見のまち全体がゆるやかなお祭りの舞台になるのが、このお祭りならではの体験といえるでしょう。
2026年 当日のプログラム
毎年11月3日(文化の日)、10:00〜16:00に開催されます。2026年は11月3日(火・祝)となる見込みです。1日限りのお祭りですが、午前の行列と午後のオリベの陣、それぞれに異なる表情があるため、朝から夕方まで飽きることなく過ごせます。
観覧スポット&撮影設定ガイド
行列は無料で観覧できます。有料観覧席は設けられていません。大規模な祭りと違い、場所取りに神経質になる必要がないのも、このお祭りの気楽な魅力の一つです。
場面別撮影設定ガイド
ISO200〜400 / F5.6
ISO200〜400 / F8(風景)
行列は比較的ゆっくりとしたペースで進むため、一眼レフでなくてもスマートフォンで十分に臨場感のある写真が撮れます。沿道の人出もそれほど多くないため、三脚を使ってじっくり構図を決めることも可能です。
多治見まつり周辺グルメガイド
おまつり広場・オリベの陣の屋台グルメに加え、多治見ならではのご当地グルメもご紹介します。美濃焼の器文化が根付くこの町では、料理そのものだけでなく、それを盛り付ける器にも注目すると、また違った楽しみ方ができます。
① 定番の祭り屋台グルメ――焼きそば、たこ焼き、フランクフルトなど、おまつり広場に定番の屋台が並びます。子供から大人まで気軽に食べ歩きを楽しめるラインナップです。
② 本町オリベストリートのカフェ・飲食店――蔵をリノベーションした店で、ゆったりと食事やお茶を楽しめます。古い梁や土壁を生かした内装も見どころの一つです。
③ 地元飲食店の特別メニュー――祭りの日限定の企画を行う店もあります。地元の人に混じって一杯、という過ごし方も良いものです。
④ 美濃焼の器で味わう料理――食器生産全国シェア5割以上を誇る美濃焼の器で、料理も一段と美味しく感じられます。普段使いの器からとっておきの一品まで、幅広い価格帯の美濃焼が町のあちこちで販売されています。
⑤ 五平餅――東濃地方の郷土料理。香ばしい味噌だれが人気で、祭りの屋台やオリベストリートの店先で香ばしい匂いを漂わせています。
⑥ 栗きんとん――隣接する中津川・恵那エリアが有名な、秋にぴったりの和菓子です。ちょうど11月は栗の収穫シーズンとも重なります。
⑦ 寒天料理――岐阜県は寒天の生産量が多く、寒天を使った甘味も楽しめます。さっぱりとした口当たりは、食べ歩きの合間の一息にもぴったりです。
⑧ 地元の日本酒・地ビール――東濃地方の地酒で、祭りの一日を締めくくるのもおすすめです。
本町オリベストリート
美濃焼ショップやギャラリー、カフェが集まる約400mの散策コース。祭りの合間の食事や買い物にぴったりです。
服装・持ち物ガイド
11月上旬の多治見は朝晩の冷え込みが始まる時期です。日中との気温差に注意しましょう。盆地特有の地形から、朝夕は平野部より冷え込みやすい傾向もあります。
服装の基本
- 歩きやすい靴、日中は軽装・朝晩は羽織りもので調整できる服装
- 屋外中心のイベントのため、天候に応じた上着を用意する
- 念のため折りたたみ傘を携帯する
コスメ・美容対策
- 秋の乾燥対策に保湿力の高いクリームやリップクリームを携帯する
- 長時間の屋外観覧でも崩れにくい保湿系の下地を使用する
- 手指の乾燥対策にハンドクリームを持参する
持ち物チェック
- 飲料水、軽食、モバイルバッテリー
- カメラ(時代行列・古い町並みともに撮影ポイントが豊富です)
- 現金(屋台や一部の店は現金のみの場合が多い)
駐車場・交通手段ランキング
会場はJR多治見駅のすぐそばです。公共交通機関の利用がおすすめですが、公共交通の便が限られる地域から訪れる方のために、車でのアクセス情報も詳しくご紹介します。
JR中央本線「多治見駅」
行列・各会場ともに駅からすぐの立地です。名古屋方面からもアクセスしやすい駅です。
多治見市役所本庁前駐車場
市役所が休庁となる祝日は、無料で利用できる可能性があります(平日利用時は庁舎利用者向けのため確認が必要です)。11月3日は祝日にあたるため、公式サイトで最新情報をご確認ください。
周辺の有料駐車場
多治見駅周辺には民間の有料駐車場も点在しています。
どうしても車で行きたい場合は
電車の乗り換えや駅からの移動が難しい方もいらっしゃると思います。足腰に不安がある方、小さなお子様が複数いらっしゃる方、あるいは遠方から日帰りで来場される方など、事情は様々です。そうした方には、以下のような工夫も考えられます。
- 市役所本庁前駐車場など、会場に近い駐車場を事前に確認しておく
- 行列ルートの中でも混雑の少ない区間(おまつり広場から離れたエリアなど)を観覧ポイントに選ぶ
- 介助が必要な場合は、同行者が先に駐車スペースを確保しておく時間差作戦をとる
- 事前に多治見まつり実行委員会事務局(0572-23-2636)へ、配慮が必要な来場者向けの対応について問い合わせておく
アクセスガイド
出発地別・天候別のアクセスパターンをまとめました。名古屋という大きな交通結節点から近いことも、多治見まつりの訪れやすさの一因です。
名古屋方面から
車の場合
雨天時の対応
当日タイムスケジュール 3つのモデルプラン
10:00〜16:00の1日で楽しめる、同行者別のおすすめプランをご提案します。いずれのプランも、名古屋から日帰りで十分に楽しめる無理のない行程です。
①子供と一緒プラン
10:00 市役所本庁前で時代行列の出発を見学 → 10:30 少年武者やうながっぱの登場を見送る → 11:30 おまつり広場で早めの昼食 → 13:00 本町オリベストリートで陶芸体験(事前予約がおすすめ)を楽しむ → 15:00頃、落ち着いた時間に撤収。子供の集中力が続く範囲で、無理のないペース配分を意識するのがコツです。
②カップルプラン
10:00 時代行列をゆったり観覧 → 12:00 本町オリベストリートのカフェでランチ → 13:30 美濃焼ショップやギャラリーを巡る → 15:00 オリベの陣のパフォーマンスを鑑賞、という美濃焼の町歩きも楽しめるコースです。お揃いの美濃焼の器をお土産に選ぶのも、記念になる過ごし方です。
③高齢者と一緒プラン
10:00 比較的近い場所から時代行列を観覧 → 11:00 おまつり広場で休憩しながら軽食 → 12:30 陶都創造館でゆったり館内見学 → 14:00頃、混雑する前に会場を離れる。短時間での移動を中心にし、座って休める場所をこまめに挟むプランです。
混雑ポイント・穴場情報
知っていると差がつく、混雑回避のコツをご紹介します。
市民手作りの地域密着型のお祭りのため、全国規模の祭りに比べると全体的に混雑は穏やかな傾向があります。人混みが苦手な方でも、比較的落ち着いて行列を観覧できるのは、このお祭りの隠れた長所といえるでしょう。
周辺観光スポット
祭りのついでに立ち寄りたい、美濃焼の町・多治見ならではの見どころです。いずれも行列のルートからそう遠くないため、1日の中で無理なく組み合わせられます。
古田織部ゆかりの名を持つ、約400mの歴史的な散策コースです。美濃焼の器を扱う店が軒を連ね、お気に入りの一品探しに時間を忘れてしまいます。
美濃焼ショップ・ギャラリー・博物館「多治見商人物語」などが集まる拠点施設です。多治見の商都としての歴史を学べる展示も充実しています。
飛騨・美濃さくら33選にも選ばれた公園。11月は紅葉も楽しめ、祭りとあわせて秋の多治見を満喫できます。
現代陶芸美術館を併設した、陶磁器をテーマにした複合文化施設です。国際的な陶芸作品に触れられる貴重な場所です。
宿泊ガイド
日帰りでも楽しめる規模の祭りですが、周辺観光とあわせて宿泊するのもおすすめです。1泊すれば、翌日はゆっくりと紅葉や陶磁器めぐりに時間を使えます。
よくある質問
多治見まつりについて、よく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 多治見まつりとはどんな祭りですか?
Q2. 2026年の開催日はいつですか?
Q3. 他の多治見の祭りと何が違いますか?
Q4. 多治見国長とはどんな人物ですか?
Q5. 観覧は無料ですか?
Q6. 「オリベの陣」とは何ですか?
Q7. 時代行列にはどんな人物が登場しますか?
Q8. うながっぱとは何ですか?
Q9. アクセスに便利な駅はどこですか?
Q10. 駐車場はありますか?
Q11. 雨天でも開催されますか?
Q12. 子供連れでも楽しめますか?
Q13. どのくらい混雑しますか?
Q14. おすすめのグルメはありますか?
Q15. 本町オリベストリートとはどんな場所ですか?
Q16. 写真撮影におすすめのスポットはどこですか?
Q17. 多治見まつりはいつから始まりましたか?
Q18. 周辺に観光スポットはありますか?
Q19. 多治見は何で有名な町ですか?
Q20. 宿泊するならどのあたりがおすすめですか?
Q21. 多治見市制記念花火大会との関係はありますか?
Q22. たじみ陶器まつりとの違いは何ですか?
Q23. 陶芸体験はできますか?
Q24. 名古屋から日帰りできますか?
Q25. 初めて訪れるなら何を中心に見るべきですか?
会場マップ
主な会場は、多治見市役所本庁前からJR多治見駅、そして本町オリベストリートにかけてのエリアです。
時代行列のルート、おまつり広場(多治見駅前)、オリベの陣(本町オリベストリート)はいずれも徒歩圏内に集まっているため、まとめて楽しむことができます。地図を見ながら、自分なりの回り方を事前にイメージしておくと、当日スムーズに動けます。
まとめ 出発前 最終チェックリスト
美濃焼の町に蘇る晩秋の戦国絵巻、多治見まつりへ出かける前に、最後にこのリストをご確認ください。
- 2026年の正式な開催詳細を多治見まつり実行委員会事務局の情報で確認する
- 他の多治見のイベント(陶器まつり・夏まつり・花火大会)と混同していないか確認する
- 宿泊する場合は多治見駅周辺または名古屋市内のホテルを予約する
- 朝晩の冷え込みに対応できる服装を準備する
- 保湿系のコスメで秋の乾燥対策をしておく
- 歩きやすい靴を選ぶ
- モバイルバッテリーを満タンにしておく
- 時代行列の観覧ポイントを事前に決めておく
- 現金を多めに用意する(屋台や一部の店は現金のみの場合が多い)
- 本町オリベストリートでの陶芸体験を希望する場合は事前予約を検討する
- 虎渓公園など紅葉スポットも組み合わせた予定を立てる
- 美濃焼の器を使ったグルメ情報を事前にチェックしておく
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日(2026年見込み) | 11月3日(火・祝) |
| 開催時間 | 10:00〜16:00 |
| 主な会場 | 市役所本庁前〜多治見駅、本町オリベストリート |
| 最寄り駅 | JR中央本線「多治見駅」 |
700年近く前、この地で郷土のために立ち上がった一人の武士の物語を、現代の市民たちが装束をまとい、太鼓を鳴らして語り継いでいく。地元の人々が長年守り続けてきた、手作りの温かさが伝わる多治見まつり。華やかさだけでなく、市民一人ひとりの愛情が詰まったお祭りの空気を、ぜひ現地で感じてみてください。

